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全国で盗難事件相次いだ爆発的ヒット「たまごっち」は今

平成８年（１９９６年）１１月の発売から約２年半で累計約４０００万個を販売するなど、爆発的ヒット商品となった大手玩具メーカー・バンダイの「たまごっち」。白黒の液晶画面に登場する「ペット」にえさをやったり、ふんの掃除をしたりして育てていく卵形の携帯ゲーム機で、発売されるやいなや玩具店前には徹夜で並ぶ親子が続出。東京や愛知では盗難事件が相次ぎ、大阪では恐喝事件まで起きた。

　“事件”は海外にも飛び火。英国では授業そっちのけで夢中になる子供の様子が問題視され、持ち込みを禁止する学校も。オックスフォード辞典には新語で「ｔａｍａｇｏｔｃｈｉ」が採用されるほど世界的なブームを巻き起こした。９７年には、開発者の横井昭裕、真板亜紀の両氏に対し、ユーモアあふれる研究に贈られる「イグ・ノーベル経済学賞」が授与されたが、２０００年代に入ると急速に下火に。とっくに「廃盤」になったと思ったら、これが大間違い。平成１６年（２００４年）３月、赤外線通信機能付きの「かえってきた！たまごっちプラス」として復活していたのだ。

「街中で『たまごっち』で遊ぶ若者の姿を見かけたことから、『もう一度発売してもいいんじゃないか』ということで復活したと聞いています」（バンダイ広報チーム）

　同２０年（２００８年）からはカラー液晶画面になり、世界観がグンと拡大。同２６年（２０１４年）にはＮＦＣ（近距離無線通信）機能、平成３０年（２０１８年）にはブルートゥース機能をそれぞれ搭載するなど、着実にバージョンアップ。遊び方も「お世話」だけじゃなく、ペット同士を“結婚”させ、子供を産むことも可能になった。「家系図を作ることもできます」（前出の広報チーム）というから驚きだ。同年３月までで「元祖」をしのぐ累計４２００万個を売ったという。

　ちなみに開発者の真板さんは重役となってバリバリ活躍――ではなく、既に退社。今は大手芸能事務所でマネジメントを手掛けている。

リンク：https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190103-00000003-nkgendai-life

【単語】

1. 盗難 : 金品を盗まれること。また、その災難。
2. 相次ぐ : 同じような物事が続いて起こる。受け継ぐ。相続する。
3. たまごっち : 1996年11月23日にバンダイから発売されたキーチェーンゲームであり、登場するキャラクターのことでもある。名称の由来は「たまご（Tamago）」と「ウオッチ（Watch、腕時計）」。企画、開発は横井昭裕。
4. 発売 : 商品を売り出すこと。
5. 玩具 : 遊びに用いる対象物・道具のことであり、遊び道具とも呼称される。
6. 液晶画面 : 液晶ディスプレイ（えきしょうディスプレイ、liquid crystal display、LCD）は、液晶組成物を利用する平面状で薄型の視覚表示装置をいう。
7. えさ : 動物を飼育したり、誘い寄せたりするための食物。え。
生き物の食物。また、食事をわざと下品にいう語。
8. ふん : 目下の者などに対し、軽く受け答えするときに、また、承諾の意をぞんざいに表すときに発する語。うん。
9. 徹夜 : 直接的に睡眠を取らない状態を指すわけではないが、夜を徹して何かをしている以上は睡眠状態にはないと考えるのが自然である。
10. 親子 : 親と子。また、その間柄。
11. 続出 : 同じようなことが次々と続いて出たり起こったりすること。
12. 恐喝 : 相手の弱みなどにつけこみおどすこと。また、おどして金品をゆすりとること。
13. そっちのけ : かまわずにほうっておくこと。また、そのさま。
14. 夢中 : 物事に熱中して我を忘れること。また、そのさま。
15. 復活 : 死んだものが生き返ること。よみがえること。蘇生(そせい)。
いったん廃止したものなどを再びもとの状態に戻すこと。また、消失したものが、再びもとの状態に戻ること。
16. 広報 : 官公庁・企業・各種団体などが、施策や業務内容などを広く一般の人に知らせること。また、その知らせ。
17. 近距離無線通信 : 広義には交信距離の短い無線通信を指す。
狭義にはNear field communication（NFC）の訳語。
18. 搭載 : 機器・自動車などに、ある装備や機能を組み込むこと。
19. 累計 : 部分ごとの小計を順次に加えて合計を出すこと。また、その合計。累算。
20. 活躍 : めざましく活動すること。
勢いよく躍りはねること。