世界の一流ピアニストへの登竜門として知られる「ショパン国際ピアノコンクール」で東京都出身の桑原志織さん(30)が4位に入賞しました。
ポーランドの首都ワルシャワで開かれた「ショパン国際ピアノコンクール」は世界的に権威のある音楽コンクールの1つで、一流ピアニストへの登竜門として知られています。
1927年から原則として5年に1度開かれ、19回目となることしのコンクールでは7か国の11人が予選を勝ち抜き、20日まで本選が行われました。
このコンクールでの日本人の過去最高は2位で、今回は東京都出身の桑原志織さん(30)と愛知県出身の進藤実優さん(23)の2人が本選に臨みました。
審査の結果、桑原さんが4位に入賞し、進藤さんは6位までの入賞はなりませんでした。
優勝したのはアメリカのエリック・ルーさんでした。
今回入賞した桑原さんは、4歳でピアノを始め、2018年に東京藝術大学を卒業後、ドイツに留学しました。
「ショパン国際ピアノコンクール」などと並び世界3大コンクールとされる、ことしの「エリザベート王妃国際音楽コンクール」のピアノ部門でも決勝に進出していました。
桑原志織さん「すばらしい結果を頂いてうれしく思う」
「ショパン国際ピアノコンクール」で4位に入賞した桑原志織さんは「演奏を終えた時点で達成感や幸福感があった。結果は全く気にしていなかったが、思いがけずすばらしい結果を頂いてうれしく思う。もっとできたかもしれないという部分はあるが、コンクールは1つの通過点なので、これから一つ一つの演奏会で地道に作品と向き合って、自分のベストを更新していきたい」と話していました。

ピアノ教室 斎藤恵美子さん「よかったね、偉いね、と伝えたい」
桑原志織さんを6歳から15歳ごろまで指導したピアノ教室の院長、斎藤恵美子さんは、コンクールでの演奏について「彼女の一番の強みである安定感が発揮され、成熟したエレガントな演奏でした。音色の豊かさについてはほかの誰にも負けておらず心を奪われました。『よかったね、偉いね』と本人には率直に伝えたいです」と祝福しました。
また、子どものころの桑原さんについて、「教室に入ってくるとにっこり笑ってえくぼを見せて場を明るくしてくれる子でしたがいざレッスンが始まると長時間の厳しい指導でもじっと耐えて頑張っていました。今回、見事に才能を開花させてくれたと感じています」と振り返りました。
そのうえで、「キャリアはまだまだ続いていくのでいろいろな国の人の前で演奏して世界的なピアニストとして大成してほしい」と話していました。